カスタマーハラスメント対策 基本方針
1.基本的な考え方
令和8年10月1日施行の改正労働施策総合推進法により、事業主には、カスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)から働く人を守るための対策が義務付けられました。
GPクリニック自由が丘(以下「当院」)は、同法および厚生労働省の指針ならびに東京都カスタマー・ハラスメント防止条例を踏まえ、患者様・ご家族様と当院で働く人が互いに尊重し、安心して診療を受け、医療を提供できる環境を守るため、本方針を定めます。正当なご意見・ご要望には、これまでどおり真摯に向き合う一方、カスハラに対しては組織として毅然と対応し、働く人を守ります。
なお、本方針において「医療サービス」とは、当院が提供する外来診療、在宅医療(訪問診療・往診)、訪問看護、訪問栄養指導等をいい、このうち訪問して提供するものを「訪問系サービス」といいます。また「職員」とは、医師、看護師、管理栄養士、相談員、事務職員等、当院の業務に従事する者をいいます。
2.カスタマーハラスメントの定義
本方針において「患者様等」とは、患者様、ご家族様、その他の関係者(患者様の関係者、お取引先、出入りの業者、近隣にお住まいの方等を含みます)をいいます。当院は、次の①から③までをすべて満たすものをカスハラと定義します。
①患者様等の職員に対する言動であって、②医療サービスという業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③職員の就業環境が害されるもの。電話やSNS等のインターネット上で行われるものも含みます。
②の判断にあたっては、要求の内容が、診療契約の内容や医学的・制度的な観点から相当性を欠くか、または手段・態様が相当性を欠くかを、言動の目的・経緯・頻度・継続性、患者様の心身の状況等を総合的に考慮して行います。当院では、これに加えて安全な医療サービスの提供に支障を及ぼすかどうかを重視します。
患者様等からのご意見・苦情のすべてがカスハラに該当するわけではありません。医療サービスに対する正当な苦情の申立て、障害を理由とする不当な差別的取扱いをしないよう求めること、合理的配慮(※)を必要とする旨の意思表明は、それ自体はカスハラに当たりません。
※合理的配慮:障害のある方から、生活の中にある障壁(バリア)を取り除くための対応を求められた場合に、負担が重すぎない範囲で行う、必要かつ合理的な対応のことです(障害者差別解消法に基づき、令和6年4月から事業者にも義務付けられています)。例えば、耳の聞こえにくい方への筆談での説明、車椅子の方の移動の介助、待合室で待つことが難しい方への待ち場所の配慮等があります。
また、疾患や認知症の症状、せん妄等の医学的要因による言動については、カスハラとして一律に扱うことなく、専門職である職員が適切にアセスメントし、治療やケアの調整に最善を尽くします。
カスハラの主な具体例(社会通念上許容される範囲を超えるもの)は以下のとおりですが、これらに限られるものではありません。
- 身体的な攻撃:暴力、物を投げる、胸ぐらをつかむ、同意なく職員の身体に触れる等の行為
- 精神的な攻撃:暴言、大声での威嚇、人格を否定する発言、侮辱、差別的発言、執拗な叱責
- 威圧・脅迫:要求を通す手段として「訴える」「SNSに書く」等の言葉を繰り返し用いて威圧すること、土下座の強要、居座り、つきまとい
- 過剰な要求:医学的・制度的に不可能な要求、合理的でない特別対応の強要、不当な謝罪要求、特定職員の処罰の要求、正当な理由のない担当変更の執拗な要求、著しい長時間の拘束(電話を含む)、同じ内容の要求の執拗な繰り返し
- 個人の尊厳を傷つける行為:セクシュアルハラスメント、卑猥な言動、医療サービスの提供や職員の安全を妨げる態様での撮影・録音、職員の個人情報の開示の強要や公開
- 誹謗中傷:SNS・インターネット上を含む、事実に反する内容の流布や名誉を毀損する言動
- 院内での迷惑行為(外来):待合室や受付での大声・威嚇、診察室や院内への居座り、他の患者様への迷惑行為、受付業務を妨げる長時間の電話や来院の繰り返し
- 訪問先の環境の悪化(訪問系サービス):訪問時の泥酔、危険物の放置、感染・事故の危険がある環境の放置、飼育動物の管理不備等、職員の安全が脅かされる状態の放置
3.具体的な対応方針
(1)職員の適切な対応の推進
- 職員は、誠実かつ丁寧な対応を基本とし、医療サービスの内容・費用・待ち時間・訪問予定等について分かりやすい説明を心がけます。
- カスハラに該当する言動を受けた場合、職員は冷静に対応するとともに、単独で抱え込まず、速やかに院長または(3)に定めるカスハラ相談窓口に報告します。
- 職員に対し、カスハラの認識と対応方法についての教育・研修を定期的に実施します。
(2)職員の安全確保
- 暴力や脅迫など職員の安全に危険が差し迫っている場合、または職員が身の危険を感じる場合は、注意・勧告に先立ち、直ちに診療・訪問を中断してその場から退避し、必要に応じて警察に通報します。この対応は、今後の診療を継続するかどうかの判断とは切り離して行います。
(3)組織的な対応
- 職員が個別に対応するのではなく、当院として組織的に対応します。
- 院内にカスハラ相談窓口を設置し、職員が安心して相談できる体制を整えます。
- (2)の場合を除き、カスハラに該当する言動が認められたときは、まず口頭で注意・勧告を行い、その言動の中止や環境の改善を求めます。
- 必要に応じて複数名で対応し、外来では他の患者様への影響を避けるため別室での対応に切り替えることがあります。訪問系サービスにおいては、状況に応じて単独訪問を中止し、複数名での訪問体制へ切り替えます。
- 悪質な場合、または犯罪行為(暴行・傷害・脅迫・わいせつ行為等)と判断した場合は、速やかに警察や顧問弁護士等の外部機関と連携し、厳正に対処します。
(4)事実の確認と記録(録音・録画を含む)
- 事案発生時は、事実関係を速やかに確認し、日時・状況・言動を記録します。
- 職員の安全確保および事実関係の確認のため、当院へのお電話は録音させていただく場合があります。また、受付・待合室等には防犯カメラを設置しているほか、診察・訪問の場面においても、必要と判断した場合には録音または録画をさせていただくことがあります。記録した情報は、この目的および法令に基づく対応のためにのみ利用します。
- 録音・録画は必要な範囲に限って行い、記録は閲覧できる職員を限定して安全に管理します。不要となった記録は別に定める「録音・録画の取扱いに関する規程」に従い消去し、法令に基づく場合等を除き第三者に提供しません。録画を行う場合は、緊急やむを得ない場合を除き、院内掲示等により録画が行われていることを認識いただけるようにします。
(5)被害を受けた職員への支援
- 被害を受けた職員の精神的負担を軽減するため、相談対応、業務の調整、カウンセリング等の必要な支援を行います。
- 相談者および事案の関係者のプライバシーを保護します。
- 職員がカスハラに関する相談を行ったこと、または事実の確認に協力したことを理由として、不利益な取扱いを行いません。
(6)診療継続の判断(応招義務の適正な解釈)
- 注意や勧告にもかかわらず事態が改善しない場合、または暴力、重大な脅迫その他の行為により診療の基礎となる信頼関係が失われたと判断される場合は、厚生労働省通知(令和元年12月25日 医政発1225第4号)に基づき、院長が、患者様の病状の緊急性、行為の内容・程度、代替となる医療・介護の確保の見込みを個別に考慮したうえで、「正当な理由による診療の終了」(訪問系サービスについては契約の解除を含む)を判断します。
- 患者様の病状により緊急の対応が必要な場合は、当院で可能な対応を行うとともに、必要に応じて救急要請や他の医療機関との連携を行い、必要な医療が確保されるよう努めます。医療サービスを終了する場合も、患者様の療養に支障が生じないよう、他の医療機関やケアマネジャー等の関係機関への情報提供・引継ぎを行います。
(7)周知・啓発と見直し
- 本方針は院内に掲示し、ウェブサイト等で公表するとともに、職員および患者様等に周知します。
- 本方針および本方針に基づき別に定める職員向け対応マニュアルは定期的に見直し、必要な改善を行います。
令和8年10月1日 制定
GPクリニック自由が丘
院長 斉藤 康洋
患者様・ご家族様へのお願い
令和8年10月1日施行の改正労働施策総合推進法により、事業主には、カスタマーハラスメントから職員を守るための対策が義務付けられました。
当院では、この法改正を踏まえ、患者様・ご家族様と職員が互いに尊重し、安心して診療を受け、医療を提供できる環境を守るため、本方針を定めました。診療や職員の対応に関する正当なご意見・ご要望には、これまでどおり真摯に向き合ってまいります。
一方で、職員への暴言・暴力・過剰な要求等のカスタマーハラスメントに対しては、毅然と対応させていただきます。その結果、診療をお断りしたり、警察等へ相談したりすることがあります。また、職員の安全確保および事実関係の確認のため、お電話は録音させていただく場合があります。院内・訪問先でのやり取りも、必要と判断した場合には録音・録画させていただくことがあります。
安全で安定した医療を提供し続けるため、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

